皆さんこんにちは!
高知県高知市を拠点に型枠大工工事を行っている
有限会社小笠原技建、更新担当の富山です。
〜データ作成からレンダリングまでの流れ〜
前回は「3D展開とは何か」を紹介しましたが、
今回は実際に3D展開がどのように進められるのかを、
設計現場のワークフローに沿って詳しく解説します。
3D展開は単なるCG制作ではなく、
**正確な数値と構造情報を扱う“技術的作業”**です。
そのプロセスには、緻密なデータ処理と検証が欠かせません。
まず最初に行うのが、2D設計図(平面図・立面図・断面図)の収集です。
これらの図面をベースに、構造・設備・意匠の情報を統合していきます。
複数の設計者が関わるプロジェクトでは、
CADデータ形式の統一(例:DWG、DXF、IFCなど)を行い、
データの重複や変換エラーを防ぎます。
次に、専用ソフトを用いて3Dモデルを作成します。
使用される代表的なソフトは以下の通りです👇
| ソフト名 | 特徴 |
|---|---|
| AutoCAD | 図面作成に強く、基本的な3D展開に対応。建築・設備双方で利用可能。 |
| Revit | BIM連携が得意。建築要素(柱・梁・壁など)をデータ化して管理。 |
| SolidWorks | 機械・精密部品に強い。NC加工や金属加工との親和性が高い。 |
| SketchUp | 設計初期段階のボリューム確認やプレゼン用に最適。 |
各パーツをモデリングした後、構造体や設備部材を結合して全体モデルを作成します。
ここでは、寸法・角度・厚みなどの数値をミリ単位で入力し、精度を確保します。
3Dモデルが完成したら、次に**レンダリング(視覚化)**を行います。
レンダリングとは、光源・影・質感を加えてリアルに表現する工程。
これにより、
材料や塗装の質感
光の入り方・反射
見た目のバランスや配色
などを直感的に把握できます。
建築デザインや内装仕上げの検討段階では、このリアルさが非常に重要です。
レンダリング後、構造・設備・内装モデルを重ね合わせて干渉検査を行います。
代表的なチェック項目:
ダクトと梁の干渉
配線ルートと壁構造の交差
配管と照明設備の重複
専用ソフト(Navisworks・Solibriなど)で自動検出し、
干渉が見つかった箇所を修正します。
この段階で問題を見つけることで、現場での再施工を回避でき、
工期・コスト・リスクすべてを抑えることができます。
完成した3Dデータは、
設計チーム(構造・設備・意匠)
施工チーム(現場監督・職長)
クライアント
それぞれが確認できるよう、クラウド上で共有されます。
最近ではBIM 360やTrimble Connectなどのクラウドプラットフォームを利用し、
修正履歴の管理やバージョン更新もリアルタイムで行われています。
3D展開のゴールは、単に美しい立体を作ることではありません。
施工性・安全性・維持管理性を事前に確認するための“情報基盤”を構築すること。
この段階で作られたデータは、
後工程のNC加工・自動切断・部材生産へそのまま転用できるため、
設計と製造をシームレスにつなぐ“デジタル橋渡し”の役割を果たします。
3D展開は「設計→検証→共有」の一連の技術プロセス。
AutoCAD・Revit・SolidWorksなどのソフトで立体モデルを作成。
干渉チェックやレンダリングを通じて施工精度を高める。
最終的には、NC加工や製造工程へデータを連携できる。
💡 3D展開とは、未来の工事を“設計段階で体験する”こと。
次回は、NC加工の自動化とその精密技術について詳しく紹介します。
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皆さんこんにちは!
高知県高知市を拠点に型枠大工工事を行っている
有限会社小笠原技建、更新担当の富山です。
〜“見える化”が設計精度を変える〜
建築・製造の現場では、設計図の精度がそのまま品質と安全性を左右します。
これまで平面(2D)の図面で表現されてきた設計情報は、
時代の進化とともに「3D展開」という立体的な手法へと進化しました。
3D展開とは、設計図をもとに建物や構造物を立体的に可視化する技術。
複雑な構造・角度・納まりを“見える形”で確認できるため、
設計段階でのミスを未然に防ぎ、現場でのトラブルを大幅に減らすことができます。
3D展開(3Dモデリング)は、CADソフトなどを用いて図面を立体的に再現する作業。
平面図・立面図・断面図などの情報を組み合わせ、
現実とほぼ同じスケールで立体化します。
従来の2D設計では、各図面を見比べながら頭の中で立体を想像する必要があり、
わずかな寸法誤差や納まりの見落としが施工ミスやコスト増につながっていました。
一方3D展開では、
部材同士の干渉チェック
配管・配線ルートの重なり確認
構造部材の納まり確認
などを視覚的に行えるため、設計の段階で“現場目線の検証”が可能になります。
立体的に形状を確認できるため、平面図では見落としがちな細部まで確認可能。
例えば梁とダクトの位置関係、サッシ枠と外壁の厚みなど、
干渉リスクを事前に特定して設計修正できます。
設計者・施工者・施主の三者間で同じ立体モデルを共有できるため、
「イメージの食い違い」がなくなります。
打合せや承認がスムーズになり、設計変更も迅速に対応可能です。
施工段階での手戻りを防げるため、結果的に工期の短縮とコストの圧縮に直結。
特に大型建築や複雑構造物では、3D展開の効果が顕著です。
立体モデル上で施工順序や足場計画までシミュレーションできるため、
現場の安全計画にも活かせます。
近年は、BIM(Building Information Modeling)との連携が進み、
3D展開は単なる「形状確認」ではなく、
材料・コスト・工程情報をすべて含んだデジタルデータ管理の基盤となっています。
また、VR(仮想現実)を用いて立体モデルを“中から体感”できる仕組みも登場し、
設計検討の質が一段と高まっています。
3D展開は、設計図を立体化して精度を高める技術。
干渉・誤差・納まりの確認が容易になり、施工ミスを事前に防止。
工期短縮・コスト削減・品質向上に大きく貢献する。
🏗️ 「想像」を「確信」に変える設計技術、それが3D展開。
次回は、実際にどのようなプロセスで3D展開が行われているのかを詳しく紹介します。
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